開発の取り組み Summary

防塵防水の水冷インバータを切削や3Dプリンタを用いて短期間で試作いたしました。本装置にはSiCモジュール,コンデンサ基板,ドライブ基板,制御基板,通信基板,電流センサなどが内蔵されています。冷却水路の熱流体解析を実施しSiCモジュールを効率良く冷却しています。

水冷の必要性 Necessity of Liquids-cooling

これまで弊社で開発した電力変換器は強制空冷もしくは自然空冷を用いていました。しかし,大容量変換器の場合,いくら高効率化しても相対的に発生する熱量が増加し,自然空冷や強制空冷では放熱が困難となります。特に移動体の電動化には,モータを駆動するための大容量インバータが必要不可欠であり,水冷の冷却機構が採用されています。

3つのコア技術 Three Core Technologies

1. 電気特性シミュレーション

インバータをモデル化し,発生損失の推定や低損失となる駆動技術について検討を行いました。

2. 熱流体解析

冷却水路に流れる流体の流速や温度を解析し,インバータを効率よく冷却できる構造について検討を行いました。

3. 水冷筐体製作

シミュレーションで得られた理想形状となるようにアルミ筐体に切削加工を施しました。

開発品評価 Assessment

Simulation Result
Experimental Result

製作した開発装置に負荷を接続して電気特性を評価しました。シミュレーションと実験結果がよく一致していることがわかります。効率的な冷却水路と低損失な次世代半導体デバイスの最適な駆動技術によって,大容量の連続運転動作が可能となりました。今後の取り組みとして,水冷インバータの高電圧化に向けてさらなる設計技術の向上・新技術の開発を実施し,装置の高効率化・小型化を行っていきます。